ネットニュースでも新聞でも、「円高是正」なんて言葉が頻繁に使われていて、まるで円高=悪のように決めつけられています。
確かに輸出企業にとっては打撃でしょう。でも輸入企業にとってはプラスですよ。
日本は輸出大国だと思っている人がいますが、そんなことはありません。まあ正確に言うと、輸出大国でもあり、輸入大国でもあるのです。
ちなみに平成21年の統計は以下の通りです。
輸出総額54兆1706億円/輸入総額51兆4994億円
若干輸出の方が多いものの、ほぼ同じですね。日本は燃料、資源、食糧などの輸入大国なのです。この意味では円高はとても歓迎されるべきことなのです。
円高になると自動車メーカーをはじめとする輸出企業が工場などを海外に移転しますが、これは円高だけが原因ではありません。世界的に見ても異常に高い法人税、各種規制、高い賃金...などなど、日本企業が海外に移転する要因は山ほどあります。
もちろんこの統計だけですべてを語ることはできませんし、雇用への影響や経済への波及効果もあるわけです。円高・円安による影響は書ききれないほどあります。正しいかどうかと決められるような話ではありません。
しかし...こうした議論すらほとんどされずに、「円高=悪」「是正」と言われてしまうのは残念です。
為替の短期的な介入では効果は限定的です。もっともっと広い視野、長期的な視野で、しかも総合的に考えた対策が必要ではないでしょうか?