そりゃ、あの立場の人が、あんなことを言ってはいけません。戒められて当然のことです。しかし...私は、その内容自体が100%間違っているとは思わないのです。
「医者は常識知らず」なんて、一般的によく言われているのではないでしょうか?私は、お医者さん本人から、「医者は常識知らずだよ」と言われたことがあります。自らの生活を犠牲にしてまで人の命のために働くお医者さんが、政治や経済、文化などの「常識」から離れて疎くなるのは、ある意味、仕方ないという解釈もあります。(まあ、麻生総理の発言は、そんな善意の解釈じゃないでしょうけど。)
「何もしない人の保険料を負担」という話も、一理あります。私だって、自分自身の健康管理は一生懸命している方だし、莫大な保険料を払っています。しかし、「ほっとけ!オレの体だ!」といって不健康で自堕落な生活をしている人が、いざ病気になったときは、我々の払っている保険料が使われるわけなのです。
だからと言って、麻生総理を擁護する気はありません。
発言内容の是非ではなく、何より問題なのは、この揚げ足取りごっこでではないでしょうか?
今回の発言の全容は知りませんが、恐らくは長い文章の中のひと言であり、文脈からすれば、それほど悪意のある発言ではない可能性もあります。しかし、政治家失言問題の時は往々にしてそうなのですが、とにかく問題になりそうな部分だけを局所的に拾い出して、騒ぎたてます。全体では問題ないのに、その一部分だけを取り出せば問題になる言葉だってあるわけです。
金融問題、環境問題、財政問題...今の政治で解決しなければならない重要課題が山積みなのに、野党もマスコミも、こんな低レベルなことに全力を注いでいることこそが、一番大きな問題だと思います。